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クリーンペーパースタクリンの品番と種類 / 合紙(スペーサー)としての用途

前回からスタートしたクリーンペーパー『スタクリン』サイト内のコラムですが、社内webデザイナーのHさんに、サブタイトルを“クリーンペーパー(無塵紙)キホンの『キ』”と提案され、このタイトルで『ホ』と『ン』の最低あと2本はUPしなければという使命感が生まれました。

そこで今回は当社(桜井株式会社)のクリーンペーパー『スタクリン』の中でも実績が多い『ニュースタクリンRC・PPC』の品番についてご説明したいと思います。クリーンペーパーに携わって20年程度の私(執筆者)のつたない知識ではございますが、基本的な情報と 当社ならではの裏話も交えてお話しさせていただきますので、最後までお読みいただければ幸いです。



<目次>



1. “スタクリンとは”クリーンペーパー内の位置付け


まずは少しだけ前回のおさらいをさせていただきます。

スタクリンとは当社(桜井株式会社)ブランドのクリーンペーパーの製品名で、主に精密電子部品が製造される清浄度を管理されたクリーンルーム内で使用される特殊紙となります。製薬メーカーやバイオ研究等のクリーンルームでも使用されています。詳細は下記ページをご覧ください。

当社では数種類のクリーンペーパーをご提供させていただいておりますが、スタクリンはその中でも一番歴史があり、クリーンペーパーの性能(グレード)を示す発塵度(粉塵・パーティクル数値)でも最上位に位置付けされ、業界内での知名度も高くなっています。

当社では他にEXクリーン、ラップクリーンG、NIL用紙等のクリーンペーパーを、用途とグレードに応じてご用意しておりますが、こちらはまた別な機会にご紹介するとして、今回はスタクリンの品番と種類についてご説明させていただきます。






2.ニュースタクリンRC・PPCの品番について


今回のお話のメインである品番について説明していきましょう。

当社(桜井株式会社)のスタクリンだけでも多くの種類があるので、どこからどうご説明すればよいか悩みましたが、今回は販売実績が多い『ニュースタクリンRC・PPC』の品番についてご説明します。

『SC75RBA4』を例に取ってみましょう。SC75RBA4はコピー用、プリンター出力用のスタクリンとなり、サイズはA4、色はブルーとなります。A4はともかく、なぜブルーが一番売れているの?という方は前回のコラムをご確認ください。



スタクリンRC・PPC 品番「SC75RBA4」を分解

 ① SC = スタクリンを表す記号

 ② 75 = g/㎡(基材の米坪量を表す)※実際には72g/㎡

 ③ R = リサイクル可を表す

 ④ B = ブルー(色を表す)

 ⑤ A4 = サイズを表す

①~⑤を順に解説していきます。


① SC = スタクリンを表す記号

スタクリンは当社のブランド商標であるSTARと、CLEANを合わせた造語となっており、『SC』はスタクリンを表しています。


75 = g/㎡(基材の米坪量を表す)※実際には72g/㎡

紙の厚み(μm)と思われがちですが、紙業界は米坪量(1平米あたりの重さ)で表示します。クリーンペーパーの話とは異なりますが、下記ページで『米坪量』について触れていますのでご興味がある方はご確認ください。




さて、ここでちょっとだけ注意点があります。

上記に『※』で注意書きさせていただいたように、SC75RBA4は75g/㎡でなく、72g/㎡がベースとなってます。これはカットして製品化したものを『75』で表示し、カット前の原紙製品の品番を『72』と表示としています(例:SC72RB4/6=スタクリン、72g/㎡ベース、ブルーの四六判サイズの原紙)。

私(執筆者)が若かりし営業員の頃、この72と75の表記に関し電子部品関連のエンドユーザー様は気にもされていませんでしたが、同じ業界となる紙商社、紙卸業の方からは『桜井さん72g/㎡を75g/㎡にサバ読んでない?』と何度か突っ込みを受け、厳しい方には『弊社都合ですみません』と平謝りし、親しい方には『自動車も1,998ccを2,000ccと呼ぶじゃないですか』とふざけていました。少し脱線しましたので、説明に戻ります。


③ R = リサイクル可を表す

ニュースタクリンRC・PPCは古紙としてリサイクルへ回していただくことが可能(処理方法は各エリアの回収業者様へお問い合わせください)です。スタクリンの発売当初はリサイクルできない処方でしたが、西暦2000年頃に環境面への配慮からリサイクルできる処方へ変更になりました。その時に対象製品の品番に『R』が加わりました。

例)リサイクル不可(以前) SC75BA4

      リサイクル可(現行) SC75RBA4





④ B = ブルー(色を表す)

Bはブルー色を表し、ブルー以外は下記となります。

P=ピンク Y=イエロー V=バイオレット(紫) O=オレンジ G=グリーン W=ホワイト

ニュースタクリンRC・PPCは現在全7色となり、色分け管理が可能です。


⑤ A4 = サイズを表す

A4は紙のサイズを表し、A3サイズはA3、B4サイズはB4で表します。



3.NB(中性紙)シリーズ ~金属合紙、スペーサー用途~


今回は当社(桜井株式会社)のニュースタクリンPPCの品番について説明してきましたが、品番で『NB』がついている製品についても追加でご説明します。

例で上げるとスタクリンで『SC64NB』という製品があります。上記を読んでいただいた方ですと、スタクリン(SC)の64g/㎡ベース(64)のブルー色(B)と推測いただけるかと。当然そこで『N』は何だ?となりますよね。品番にNBが付いている製品は『スタクリン中性紙』というカテゴリーとなり、金属に触れても錆等の変色を起こしにくいとされる中性管理を行っている製品となります。

小学校の理科の授業でも酸性/アルカリ性のペーハー(PH値)について学びますが、紙は何も対策しないと酸性側に寄っているものが多いです。

前置きが長くなりましたが、スタクリン中性紙の品番の『N』の意味は『ニュートラル(化学的な意味で中性を指す)』です。

私の営業研修時に当時の先輩(後の上司)から『NBはニュートラルブルーの意味だ、ナチュラルブルーと勝手に解釈して覚えているヤツがいるから気をつけろよ』と教えてもらったのを30年以上経過した今も鮮明に覚えています...


少しだけ感傷に浸ってしまいましたが、ここでスタクリン中性紙の用途についてご説明します。

クリーンペーパーの用途はコピー用紙、プリンター出力用、ノート等の文具用途がまず頭に浮かぶかも知れませんが、クリーンペーパーを製造工程や出荷時の副資材として利用するケースも多くあります。業界や使用国により『合紙』、『スペーサー』、『挿間紙』と呼び方はさまざまですが、『クリーンルーム内で製品を保護する為に「紙」を使用しているが、粉塵(パーティクル、クリーン度UP)対策でクリーンペーパーにしたい』『電子部品は金属素材が多い為、腐食や変色もできるだけ防ぎたい』という用途で、スタクリン中性紙は30年以上の販売実績があります。

基材の厚みも50g/㎡から最大420g/㎡までと幅広く品揃えしているのも当社(桜井株式会社)の特長となります。スタクリン中性紙は品番に『R』が付いていないことから判断できるようにリサイクルには回せません。





4.まとめ

今回はクリーンペーパースタクリンRC・PPCの品番と種類と、あまり一般には知られていないスタクリン中性紙の用途についてお話しさせていただきました。

当社(桜井株式会社)ではクリーンペーパーに関するご質問をお待ちしています。カタログやweb上ではご紹介しきれない製品もあり、『このような製品はないか』『このような加工はできないか』等のご相談はウェルカムですのでぜひご連絡ください。

では次回のコラムでもクリーンペーパーについてお話しさせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。







執筆者紹介

 

高谷 陽介 (Takatani Yousuke)

1992年桜井株式会社に入社。社歴約30年のうち20年以上クリーンペーパーに携わり、現在はマーケティンググループに所属。前回自ら『ミスタークリーンペーパー』と表現し(実際には誰も呼んでいない)、社内外から冷やかしを受けるも、自分がいじられることで桜井ホームページに興味を持っていただけるならと覚悟を決めた様子。いつの日か『ミスタークリーンペーパーに相談があります』と指名の問合せが来る日を夢見ている。

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